Studio One 4 で作曲したメロディとコードを、Notionに送って瞬時(数秒)で歌手に渡すリードシートを作れるようになりました。
これ、かなり強烈だと思います。Notionは譜面作成ソフトとしてFinaleのようなグラフィックソフトみたいな領域まで踏み込んで編集できる範囲は少ないですが、そこそこの譜面にはなるので、何よりStudio Oneでスピーディーに作曲した曲のパート譜が作れるのは、Studio One 4とNotionが強烈なタッグだということが言えそうです。
初期設定ではRewireがOFFになっていますので大丈夫ですが、Studio OneとNotionをRewireで接続していると、同期して再生してしまうのが良し悪しな場合があります。譜面を編集する場合は、RewireはOFFにしといた方がイライラしません。>Rewireの設定方法はこちら
なおSibeliusの場合はStudio Oneと両方立ち上がってるとタイムコードをずらさない限りRewireがONになりっぱなしになってしまうので、OFFに簡単にできるのはNotionのいいところです。
Studio One 4で作った「譜面実験くん」という曲を使って説明して行きます。コードもコードエディタで入れてありますが、最後のC7はCの予定でしたが、コードエディタでガショガショ入れていくと、ルート以外のインターバル(7thなど)が残ってしまうみたいで、うっかりC7になってしまいました。まぁ、単純な終始でなくてここから明後日に飛ぶ感じになって、いいでしょう。
この曲のポイントは弱起、アウフタクトの存在、3小節目(1小節目はアウフタクトなのでメロとしては2小節目ですが)のファ、が8分音符で、8分休符が含まれてて、譜面でどうなるかな〜?と思ってやってみました。結果は4分音符として認識されちゃうんですけどね。この辺のアルゴリズムはよくわかりませんが、あとでNotion側で変更できるし、ポピュラーだと実際それほど神経質に譜面自体を作り込む必要もあったりなかったりなので、瞬時にこれがリードシートとして譜面になる、っていうことだけで、もう十分でしょう。
丸で囲った音が短めだが、Notionではこの場合、譜面には4分音符になるようだ。休符が変に多いより演奏しやすいので、いいと思う。
Studio One 4側でメロディーの入ったトラックを選択肢、ソング>「Notionに送信」 を選択!
もし、まだNotionが起動してなければ、次の画面が出ます。Studio One 4側はネットワーク上のNotionを検索します。同一Mac/PC上である必要はありません。この画面からNotionを起動することもできます。
「選択されているトラックのノートデータを送信」を選択し、「リードシートを作成」にチェック、「開いてるドキュメントに結合」に最初はチェック入ってますけど、結合するとややこしくなる場合もあるので、ここはチェックを外して見ます。
なんということでしょう!! Studio One 4で作った曲が、すぐさま、Notionでこのような譜面が表示されました。例えば自分用のリードギターパートの弾き直しのためのメモ譜面だともうこれで十分だったりもします。ちゃんとコードトラックの情報も反映してて、完璧です!
うっかり他のところをクリックして、書き出したいトラックが選択されていない場合(ありがちなのが、コードトラックやオーディオトラックなどを選択しちゃってる状態!)は、グレーの画面が書き出されて譜面は何も出ません。その場合はStudio Oneに戻って、再度きっちりトラックを選択して「Notionに送る」を実行してくださいね。
Studio One 4から書き出された譜面に記号を加えて仕上げていくことも簡単です。1小節目はアウフタクトなので、2小節目の頭に複縦線が入っていないと気持ち悪いなぁ、と思ったら、下の記号パレットから簡単に貼り付けることができます。
さらに、リハーサルマークなんかも。だいたいはこの辺でなんとかなるんじゃないでしょうか。
さらに歌詞も含めた楽譜の完成までは、このページの最後の方でやります。
この「譜面実験くん」という楽曲のキーはCですが、当然いろんなキーの曲を作りますよね。
Studio Oneだけの単独使用の場合、キーを(脳内以外で)設定するのはおそらく意味があまりなさそうなんですが、Notionとの連携になると、「キー」を決定しておいた方がいいです。Notionで譜面を出した場合に、調号(ト音記号の横の#の数とか)に影響するからです。
Studio One側でキーを設定するのはここです。コードトラックのインスペクタを開くと出てきます(+を押してコードトラックを追加して、iのマークでインスペクタが表示されます)ので、赤丸のところがコードの如何に関係なく最初は「C」になってますから、それを変更します。(コードトラックの移調・トランスポーズの方法はこちら)
そうしてStudio One側でキーの設定をしておけば、このように調号が設定されます。Dの場合は、もちろん#が二つつきます。
(コードトラックもMIDIトラックも変更なしで、キーのみ変更して調号を変えた例。)
もしこの楽曲「譜面実験くん」を完全に移調してDの曲にしたい場合は、Studio One側でキーの設定に加えて「コードトラックのトランスポーズ」と、「MIDIトラックのトランスポーズ」を済ませてからNotionに書き出してください。(もちろんNotion側単独で移調することもできますが、ここはStudio One側で作ったソングのリードシートの話なので)
そうすると、このように綺麗に移調された譜面ができます。
これは素晴らしい!! これだけでもNotionを購入する意味があるのではないでしょか!!
Studio Oneでは当然 in C で作曲しますが、リードシートで渡すプレイヤーは、in Cの歌手だけではありません。B♭のトランペットやクラリネット・テナーサックス、E♭のアルトサックス、バリトンサックス、Fのホルン、など様々です。
作曲は実音で作って、後のパート譜はNotion任せでできるという便利な機能で、Studio One4と組み合わせれば、簡単に移調楽器のパート譜を作ることができます。
例えばアルトサックスはキーがE♭の楽器でCを吹いたらE♭が鳴る楽器ですが、長6度(9半音)上で書くのか、短3度(3半音)下でかくのか、本などを読むかググらないとわからない場合もあるかと思います。
それがNotionの場合は、楽器名を指定するだけで自動で移調してパート譜を作ることができるのです!
右上のスコアセットアップのアイコンを押し、パートごとに歯車マークが出てくるので、歯車マークをクリックします。
楽器の選択ボックスが出てくるので、「アルトサックス(オーケストラ)」を選択します。「アルトサックス(ジャズ)」でも良いのですが、ジャズのライブラリが別売みたいで、アルトサックス(オーケストラ)を選択した方が、音の確認ができます。サックスの場合クラシックとジャズでマウスピースや奏法が違いますが全く別の楽器になるわけではないので、確認用だと付属のオーケストラライブラリで特に問題はないでしょう。
選択して「OK」を押すと!これはすごい!なんと一発でアルトサックス用の譜面になりました。しかも、もちろんコードネームも移調されていますよ。
手動で移調の設定をする方法もあります。上記と途中まで同様ですが、「楽器」ではなく、「記譜/タブ」をクリックします。アルトサックスの場合はE♭で譜面上の高さは実音より長6度(9半音)高くなるのですが、なぜかこの設定を「高く」にすると下がってしまうので、「低く」を選択します。この辺は翻訳があまり良くないのか、感覚が私と違うのかもしれません。
すると、このように移調楽器のパート譜が簡単に!!! もちろんコードも書き出されていますよ!
移調楽器用のパート譜の話をしましたが、ここで今一度「ヴォーカル用リードシートを作る」という原点に戻ってみて、Studio One 4からNotionに書き出した後の譜面から、仕上げていきましょう。
※多分もっといい方法があるような気がしますが!
Studio Oneから書き出される小節数の法則はまだ把握できていません。(ソングのスタート、エンドのマーカーどおりでもない)
とりあえず今回はこの小節数で書き出されたので、いらない小節を削除してみます。
下のパレットから矢印ツールを選び、小節線をクリックするとオレンジ色になるので、これでDeleteキーを押すと小節を削除できます。逆に追加する場合は下のパレットから小節線を選んでクリック、です。
これで曲の長さに合わせた小節数になりました。頭は弱起(アウフタクト)なので、2小節しかないんですね、この曲。
1小節目を選択し、右クリックから一番下「小節*(番号)」を選ぶと、右側に「弱起」が選べます。
弱起の設定が完了しましたが、休符は残りますので、休符を選択し、オレンジ色になったら削除します。
1小節め(弱起なのでドの音が1小節目)の頭を複縦線にします。そうでないと気持ち悪いですので・・・
下のパレットから引っ張ってきて、クリックでOKです。
2小節しかない曲で必要なのか?という批判をよそに、リハーサルマークをつけてみます。「Aの2小節目の3拍目は少しシャウト気味で!」などという指示をだす場合に便利ですね。
歌詞も入力して完成です! 歌詞の入力は、もともと英文だからか、なんとも言いにくいクセがあります。私のタイピングにもクセがあったわけですが、私自身に日本語を入力する前に一度「かな」キーを無意識に押すクセがあったようで、「かな」を押すと、それだけで何かを入力した、とNotionが判断するようで、次の音符に送られてしまって若干苦労しましたが、コツを掴めば問題ありません。
あとはプリントしてプレイヤーに渡して、Studio Oneに戻って、セクシーなヴォーカルトや、ギタリストの熱い演奏をダビングしていって仕上げましょう!
その他のPreSonus Notionの使い方メモはこちら
Studio One の使い方もご覧ください。