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Studio One Professionalは、CDのマスタリング・DDP書き出し/読み込みなどを統合した、多分現時点で唯一のDAWです。
このページでは、CDをプレスにだす方法について、基本的な著作権の知識も含めながら、なるだけ簡潔に解説させていただきたいと思います。
CDは、1980年代当時「シングルレコードより小さく、カセットテープのケースより薄い」という触れ込みで発売されました。子供心に思ってましたが、それって、結構大きいのです。
(もちろんそれまでのLPに比べると体積としても小さいが、威張るほどではない。)
100枚で50x2列にした場合で、高さ125mm×幅284mm,奥行き500mmを梱包する巨大な箱が届きます。この山に泣くミュージシャンは少なくありません。置き場所も含めじっくり考え、妥当な枚数にするのが、CDプレスのコツです。
地震大国日本で10箱積み上げるのもナンセンス。ワンルームの場合は、寝る場所がなくなります。
Studio Oneでの基本的なマスタリングの方法についてはこちらにまとめてあります。
そちらのページではデジタルリリースを含めたわかりやすいものにするため、便宜上曲名をつけていますが、曲名や作曲者などの一切の情報については、CD-textの問題から、空白にするようにしてください。これはPreMaster CDなど伝統的なものでも同一です。
iTunesなどにCDを入れると曲名やアーティストが出てきますが、これはCD-textではありません。CDDB(data base)と言って、クラウドにCDの収録時間やTOCなど?に応じて対応した曲目のデータベース〜誰かが善意で登録したもの〜を引っ張ってきているだけにすぎず、CD本体には記録されていません。
CD-textは、現在対応のものがほとんど市販されていなく文字を表示させることもできず、40年のCDの歴史の中で、一瞬あったフォーマット、と認識したほうが良いです。
これで、CDDB に登録され、プレスから帰ってきたCDを入れると、iTunesで表示されるようになるはずです。(もし何かの変更が発生していた場合は、プレスされたCDで再びCDDBに登録を試みましょう)
曲名などがCD-textではなく、CDDBによるものであるということをご理解いただけたでしょうか。
CD-textのデータは、読み込んで再生する装置がほとんどありませんが、 日本語の場合、英語と違ってプレス段階でエラーになる可能性があるのです。
何の役にも立たないがエラーの危険がある。それがCD-text です。
CDの40年の歴史の中で生まれた闇ですが、やむを得ない、だって40 年ってかなり古いじゃん!とあきらめましょう。
というわけで、日本のプレス工場の場合は、工場にてCD-textのデータが削除されてプレスされますが、格安の海外プレスの場合は、そうではない可能性があります。データの納品形態や注意事項などについては会社により異なりますので正確には発注先へ確認して欲しいですが、Studio OneでCD-textを含めないためには、DDPなどの書き出し時に、これらの項目については空白にしておくと、安全なのです。(これはPreMasterCDなどのプロ用アプリケーションでも同様でした)
これらは、MP3やハイレゾ配信などのデジタルリリース用のメタデータであって、CDプレスには必要ありませんし、入れても表示させるプレイヤーがほとんどありません。
ISRCについては、詳しくは こちらをご覧いただければと思いますが、別に義務ではないのでインディーズの場合は取得しない場合が多いです。某大手の仕事についても取得はしていますが、CD-txetのデータとしては含まずDDPを作成しています。
Studio Oneでは、プロジェクトでソングをいくつか並べて、このボタンを押すだけでDDPの書き出しができます。これを、プレス業者にDVDなどのメディアや、ギガファイル便などで送れば、もうCDのプレスができてしまうんです。以上!!!簡単ですな。
完全オリジナルで、JASRACに登録していない楽曲を(自分の曲も含めて)一切含まない場合は、JASRACへの申請は不要ですが、その他の場合は必要です。
JASRACは、著作権のうち"財産権"しか作家から信託されていません。その他の権利は基本的には作家が持っています。
早い話、「音楽出版社」というのがその窓口になると理解すれば、早いでしょう。
CDで楽曲をカバーする場合、基本的に「音楽出版社」への確認が必要です。
JASRACは、一定の安価な価格を平等に提示してくれ、著作権料の支払いを一本化してくれます。
(JASRACに登録されていない楽曲の場合、某有名曲ですが100万円を 要求されたこともありますよ。JASRAC管理下の場合、「使いやすい」のです。)
著作権 | |
---|---|
財産権 | 隣接権 まずこれ |
使用料金の規定と集金 |
など、オリジナルからの改変一式 |
窓口:JASRAC (JASRAC管理の楽曲ではない場合、権利者を自分で探す。) |
窓口:音楽出版社 |
こちらの作品データベース検索サービスから、該当楽曲がJASRACの管理下にあるか調べましょう。ない場合は、窓口は自分で探し出さないといけません。
「泳げ」とか「鯛」では出てきませんでしたので、漢字などは出てこない場合は、いろいろやってみましょう。画面をみても分かる通り、web1.0感があるので、google のようなそこまで高度な検索機能は持っていないようです。
信託状況:「全信託」というのは、 「(お金の)全支分権」をJASRACが持っている、というだけで、楽曲の使用における全権限がJASRACにある、というわけではありません。
JASRACは単に決済をまとめて行ってくれるだけ、ですから、ここで大事なのは「識別:出版者」で、「フジパシフィックミュージック」という会社が、この場合は音楽出版社になりますので、連絡先をググって調べ、楽曲をどのように編曲して使うのかを伝え、是非を問いましょう。
なお、ざっくりした傾向として、海外作品はわりとなんでもOKだが(ただし、エリッククラプトンが王様のカバーを許さなかった的な事例はあり)国内の作品は改変がとても規制されるものが多いです。(PEZの大地讃頌訴訟問題など)
権利者の死後50年たった場合は著作権が消滅し、P.D.(public Domain)となりますが、第二次世界大戦の勝戦国には、国際条約により、追加で年数が加算されている場合があります。
日本はご存知のように敗戦国ですが、以前、ジャンゴラインハルトというギタリストの没後50周年でトリビュートアルバムを作った際、「PDだし」と下心もあったのですが、戦時加算を忘れていて請求書に悲鳴をあげたことがありました。
そう、日本は戦争に負けたのです。教科書では知っていたけど、ガツンと痛感した瞬間でした。
こちらのサイトからシミュレーションの計算ができます。
例えば定価2000円、収録曲10 曲のうち10曲が管理楽曲で500 枚製造する場合は、64,800円になります。これが、JASRAC管理下ではない楽曲の場合、100万円とか言われたりするのですよ。
算出方法はこちらです。
わからなければ、JASRAC録音2課に電話すれば、親切に教えてくれます。
ということになります。あの名曲、この名曲をたっぷり使って、先ほどの計算で著作権料が64,800円かかっても、CDを33枚売れば、お釣りが来るのです。そう思うと、決して高くはないですね。
現在は特に提携しているプレス工場はないので、紹介はしませんが、「CD プレス」などで検索すれば、多数出てきます。
CDのプレスには、DDP(CD-DA)だけでなく、印刷データなど、チェックが必要なことが多数です。工場の方と蜜にコミュニケーションを取る必要が出て来る可能性があるので、いくつか問い合わせてみて、信用できそうなところを探しましょう。
国内では先ほどのCD-text問題は回避できるのと、JASRACの提携工場であれば、以前はJASRACのシールが免除されるなどがあったんですが、今はもうシールがないっぽいです。その辺りも含め、値段もありますので、窓口として信頼できる業者に相談するのが一番です。まさか、直接タイの工場にデータ持っていく強者はいないでしょうし???
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