PreSonus Studio OneDTM の使い方メモ〜DTM & DAW TIPS〜

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オーディオインターフェイスの最大出力レベルについて〜スペックの「出力」の読み方と運用

まず、極めて基本的で重大なこととしては、オーディオインターフェイスから出てきるのは「電気」であり、「音」ではありません。
マイクから出力される電気信号のレベルが大小様々であるように、オーディオインターフェイスから出力される電気信号のレベルは統一されていません。

一説に「業務用は+4dBuで民生機は-10dBVという規格がある」と言われることもありますが、レベルマッチングのRMS値として設定することはあってもそのような「規格」はなく、あくまで一例で、実際は様々です。業務機にもバラバラですがオーディオインターフェイスの出力の場合最大出力が+10dBu〜+18dBuや、最大級のもので+24dBu。(前出の"よく聞く噂"とそもそも数値が全然違いますよね)

大きければいいというものでは、ない。レベルマッチングが大切。

大事なのはその電圧のレベルを合わせることです。
出力される電圧が大きければ音がいい、というものではありません。受け手側とのマッチングが適切であることが重要です。
例えば、オーディオインターフェイスから1500万ボルト/1万アンペアの電気が出たら、機械が壊れたりオペレーターが死ぬだけでなく、誰も想像できない大惨事が発生するでしょう。
同様に、+24dBuの最大出力の機器を+5dBuが最大入力の機器に突っ込むと具合が悪いことは理解しやすいと思うのですが、そういうわけで信号の電圧を揃える、それがレベルマッチングです。

話が少しだけそれて、オーディオインターフェイスのボリュームのユニティゲイン

次の写真はStudio 26, 現行機種はStudio26cで黒くてかっこいいですが、私が持ってるのはその前のモデルです。

PreSonusの場合はマニュアルに書いてるんですが、オーディオインターフェイスのボリュームは最大値を「ユニティゲイン(後述)」として、最大の電圧を出力します。
最大から絞っていくことで、電気信号は可変抵抗を通ってボリュームを下げています。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

他のメーカーについてはそこまで明確にマニュアルに書いてるものも少ないので、はっきりしたことは分解して回路を読み解かないと判明しませんが、特に安価だとわざわざ中途半端なアンプの回路を内蔵しているとも考えにくいので、基本的には同様である可能性が高いと思うんですが、知りません。(カタログスペック以上のことはメーカーも教えてくれないので謎)

ユニティゲインとは?ボリュームのつまみの位置は何がいいの?

ユニティゲインとは、アンプ回路で増幅率=1(入力:出力が1:1になる)のポイントのことです。

音質の良し悪しは好みですが、ユニティゲインとは「最も電気信号の変化が少ないつまみの位置」です。
上記Studio26などの場合は、オーディオインターフェイスのボリュームが最大の状態が、DAコンバーターと最低限必要な回路からの電気信号に最も変化がない状態、と言えます。
そこから加算・あるいは減算することで、電気信号は変化します。それが良いか悪いかは無視できるかどうかも含め、耳で聴いて判断してください。

一般的なフェーダーにおけるユニティゲイン

一般的なボリュームフェーダーにおけるユニティゲインは「U」と書かれています。
ここがUnity Gainで、最も電気信号に変化がないつまみの位置です。
一般的なオーディオインターフェイスはの場合は、それが「最大値」にあたるものが多いと推定され、確実なこととしては、DAWから0dBFSの信号を受けた場合、カタログスペック上の最大の電圧の電気が出力されます。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

ユニティゲインを外れた場合の変化

例えばこちらはSound Craft のNOTEPAD-5という、オーディオインターフェイス兼ミキサーで筆者が一番使ってる機種ですが、

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

この場合は「0」と書かれたところがユニティゲインとなります。
2chのロータリータイプの可変抵抗の場合は、どうしても仕様上外周と内周の差で、ユニティゲインを大きく外れるとPANの左右に差ができます。
特に9時くらいより小さいと顕著になりますが、やむを得ないです。
ギャングエラーと言います。怖い名前ですが検索してもCIAに目をつけられたりはしませんので、詳しく知りたい人はググりましょう。)
なお、ギャングエラーは制御がデジタルの場合はロータリータイプでも発生しません。

この章のまとめ

一般的なオーディオインターフェイスの場合は、ボリューム最大が最も変化のない電気信号が出ている可能性が高いです(PreSonusはマニュアルに書いている)
基本的には最大値が音質的には「変化がない可能性が高い」と言えますが、受け手側で歪む場合は下げてやらないと、最悪壊れます。


では、ここでオーディオインターフェイスのスペック表を見てみましょう。

FocusriteのRed 16Line 出力は切り替え可能・・・受け手側に最適な出力にするのが良い

FocusriteのRed 16Lineのスペックを見ると、次のように書かれています。(私は持ってません)

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

0dBFSリファレンスレベル(この言い回しがわかりやすい)

dBの色々についてはこちらに簡単にまとめました。詳しくはもっと詳しいサイトでググってください。「dB」は割とどうでも良くて、その後に何がついているか、が問題です。
dBuは電圧(一般的な単位ではV=ボルトに近いがVとの関係はややこしい)、dBFSが、デジタルの音声データの最大値の意味です。

つまり、FocusriteのRed 16Lineは、モニター出力にはDAW側が最大音量を出した時(=0dBFS)に、+18dBuの電圧を出す、ということです。
再度書きますが、電気信号の受け手側とのマッチングが大事で、デカければ良いものではありません
同じくFocusriteのRed 16Lineは、メインアウトには、+18dBuと+24dBuの切り替えが可能で、+18dBuは実際出力されている電圧値(peak to peak)で17.4Vp-p、業務用機器の最大レベルである+24dBuで34.7Vp-pとなります。受け手側にマッチするようにしましょう。家庭用オーディオコンポなどに+24dBuで電気を流すと壊れるかもしれません。

「最大出力レベル」、と書くメーカーが多いですね。

PreSonusのオーディオインターフェイスの比較表から。バスパワーかセルフパワーで出力レベルに違いがあります。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

緑のハイライトのStudio24c,Studio26cがバスパワーで、水色のハイライトのStudio68c,Studio1810c,Studio1824cがセルフパワー、別途電源が必要なモデルです。
バスパワーのものは+10dBu(=6.9Vp-p)、一方、セルフパワーのStudio68c,Stduio 1810c, Studio 1824c は+18dBu(=17.4Vp-p)になります。

なお、先ほどのFocusriteのメーカーでも、Scarlet 2i2などはバスパワーですが、同じくこのクラスらしい+10dBuとなっています。

私が持ってるScarletは第一世代です。湿度が高い大阪の宿命ですが、メインボリューム以外のノブは加水分解でヌメヌメになってしまっています・・・
これもメインボリューム(銀色、ピンボケしてますが)が最大の場合で、+10dBuの電圧が出ます。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

魔改造メーカーのBlack Lion AudioのRevolution 2x2 の場合は?

Black Lion Audio は元々アウトボードの魔改造をしていたメーカーが製品を作り始めた会社ですが、Revolution 2x2 の場合は、次のようになっています。
ボリュームの仕様において「ユニティゲイン」がどこなのかは不明ですが、「最大出力レベル」の電圧が出るのは、ボリュームが最大の時です。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

最大出力レベルは12dBuと、このクラスでは高いです。出力部にも魔改造界の著名ブランドらしさが出ています。

↓ 上がPreSonus Studio26(現行のStudio26cも同じ)、下がBlack Lion Audio Revolution 2x2。出力される電圧には+10dBuと+12dBuの差があります。
音質に出力の電圧は関係ないです。ここから私的な感想に過ぎませんがPreSonusがクリアだけど退屈せず音楽的な印象に対して、Black Lion AudioのRevolution 2x2 はロックな感じがして、所有しているオーディオインターフェイスの中で使い分ける場合、個人的な趣味としては、ジャズはRMEのADI-2 pro(最大出力は+24dBu、私が持ってるのは現行ではなくFSのない前のバージョン)で聴くのがベストだけど、同じジャズフュージョンのメンツが演奏していてもクラプトンなんかになるとRevolution 2x2(+12dBu) の方が好き。まぁ、要するに受け手側の機材とマッチしていれば問題がないのです。バリバリ歪む場合は下げればいい。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

SteinbergのURはわからないです

SteinbergのURシリーズの仕様表には出力数しか書かれていないので、最大出力レベルは不明でした。

SSLのSSL2

業務用コンソールメーカーSSLが出した、ロールスロイスが軽自動車(と言ってもS660路線でなくてチョロQのでかいやつみたいなの)作ったくらい驚きのインターフェイスSSL2、でかいノブがちょっと面白いインターフェイス(楽器屋で見ると思ってたよりでかい)ですが、こちらも評判がいいですね。

私は持ってませんが、最大出力レベルは+12.5dBuとなっています。ボリュームが最大の時に+12.5dBuの電圧が出ます。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

出力の切り替え可能なオーディオインターフェイスは、受け手側の機械に合わせる。

RMEのBaby Face Pro FSは? 出力切り替え可能なので、受け手側の機械に応じて設定するのが最も活かせる。

バスパワーとしては値段も最高峰(10万程度ですが人気が高すぎて品薄で高騰している!!!)のRME Baby Face Pro FS。
私は持ってません。

Baby Face Pro FS はバスパワーだけど出力もさすがの高出力です。バランス出力が+19dBuと+4dBuの切り替え(受け手側の機材によって切り替える)アンバランスが+13dBuと-2dBuの切り替えができるようになってます。接続する機器によっては+19dBuのままより、+4dBuに切り替えた方がいい場合があります。とにかく、受け手側の機械とマッチングさせることが大事です。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

オーディオインターフェイスの出力レベルまとめ

おまけの雑談 レベルマッチング・マチ子先生

これは運用としてはあくまで参考ですが、万が一、+24dBuの大出力の業務用機器を家庭用VHSデッキに接続する場合は、アッテネーターやパッシブのプリアンプを介すと電圧を安全なところまで下げることも可能でしょう。
そんなことはしないと思いますし、そもそもオーディオインターフェイスの場合は本体のボリュームを下げればいいんですが、こういったものの存在が上記の理解を深めることになると思うので、おまけで紹介しておきます。
昔は「抵抗入りのケーブル」なんかもありました。ていうか今でもあるんですね。見た目の区別がつきにくいので難儀ですが、こういうものを介すると、音声信号の電圧を下げることができます。

アナログミキサーの入力の下くらいについてるPADスイッチもこの動作です。

接続された機器の最大出力レベルがデカすぎる場合、ミキサーの入力にPADっていうボタンがついている場合が多いです(最近は別の名称になってることもある)
これを押すと前項のようなアッテネーターが機能してレベルマッチングの助けになります。
PADを使うか出力機器のボリュームを下げるかは耳で判断したら良いと思います。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

その他のオーディオインターフェイス情報関連リンク

単純にも使えるので、わかってるようでわかってないのが、オーディオインターフェイス、次の点もご存知なければチェックしてみましょう。

オーディオインターフェイスのボリュームの仕様

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